こんにちは、しろくまです。
妻と子供が図書館で絵本を借りてきたのですが、それがなかなか深くて考えさせられる内容でした。
今まで何冊も絵本を読んできましたが、これほど考えさせられる内容は初めてです。
今日はその絵本を少し紹介します。
内容紹介
絵本のタイトルは『くさる』です。
なかなかシンプルで興味を引くタイトルですよね。妻もこのタイトルが気になって借りてきたそうです。
ストーリーは台所でゴミが腐っている場面から始まります。
「おかあさん、なんだかへんなにおいがする」
「どんなにおい?」
「いやーなにおい」
引用:「くさる」P3
女の子がお母さんにゴミ箱から嫌な臭いがすることを知らせます。
なぜ生物は古くなると嫌な臭いがするのか?
子供なら誰でも不思議に思いますよね。
お母さんはこう答えます。
くさったにおいは「たべるとおなかをこわすよ」とおしえてくれている。
引用:「くさる」P9
そうそう! 大人は当たり前でも子供は知らないはずです。
本能的にすごく臭いものは食べないでしょうけど、少し臭いくらいならお腹が空くと食べてしまうかもしれませんからね。
こうやって言葉で教えてあげるのはすごく大事なことだと思います。
うちの子供にも読んであげましたが、「そうなんだぁ」って感心してました。
次に腐ったゴミを土の中に埋めるお母さん。
埋めたゴミは微生物が分解してくれることをわかりやすく説明します。
「つちのなかには、みみずや、やすでや、だんごむしなどのむしがすんでいるの。そのちいさなむしが、ゴミをこまかくきざんだりたべてうんこにしたりして、くさったゴミをもっともっとくさりやすくするのよ」
引用:「くさる」P14
うんこと表現するのは子供にとってとても分かりやすいですね。うちの子も「うんこ!」って目をキラキラさせてました(笑
そして、そのうんこも、さらに小さい虫が食べてうんこにすると説明します。
「そのうんこはどこにいったの?」
「つちにまざって、とけてしまったの。それをくさやきが、ねっこからすいあげて、えいようにするの」
引用:「くさる」P17
誰もが学校で習った当たり前の話ですが、子供に聞かれた時になかなかここまで説明はしないのではないでしょうか。たぶん説明しても分からないです。でも絵本で読むことで子供にも分かりやすくなります。
ねっこから栄養を吸い上げた草や木は、夏には青々と茂ります。そして
「ふゆになると、みもはも、じめんにおちて、むしたちにたべられ、くさってつちにまざり、とけていく」
引用:「くさる」P21
「こうして、いろいろないきものがうまれて、しんで、くさり、つちにとける。しぜんは、なんどもなんども、これをくりかえして、つづいてきた」
引用:「くさる」P25
ここ一番好きなフレーズです。
ゴミが腐るっていう家庭の台所で起きた問題が、最後には自然という大きな話に繋がります。
子供に読みながら、大人である僕も色々考えさせられました。
腐るっていうのは決して無駄なことじゃなく、自然には必要なことで、こうやって何億年も世界は続いてきた。
聞いてみれば当たり前だけど、普段はあまり意識していないことです。
絵本の最後では、土に埋めたゴミが最後にどうなったかで締められています。
ちょっとほっこりする内容なので、気になる方は是非絵本を見てみてください。
絵本詳細
タイトル:くさる(かがくのとも発行)
発行日:1981年6月1日
発行:福音館書店
販売:こどものとも社
あとがき
この絵本は子供もすごく気に入ってもう5回くらい読んでいます。
ちゃんと理解しているかどうかは分かりませんが、腐ることは必要なことなんだってことは分かっているようです。
ただ、最近は腐ることに興味を持ちすぎて、ゴミを腐らせようものなら、「見せてーっ!」って喜んで見に来ます(笑
一見無駄に見えるけど実はすごく大事なことって他にもあると思います。そういうことを今後も子供に教えてあげたいですね。