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カラオケバトル1月5日:U-18歌うま甲子園新人王決定戦の分析と感想【2020/1/5】

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2020年1月5日のカラオケバトルは『U-18歌うま甲子園 2020全国新人王決定戦』です。

バトルの見どころ、出場者、選曲、得点の紹介と、年間500曲以上カラオケ採点をしている筆者が独自の視点で点数を解析します。

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見どころ

今回は、日本全国1000人の中から選ばれた18歳以下の15人がU-18新人王の座をかけて争います。

去年のU-18甲子園新人王決定戦は100点連発の高レベルなバトルでした。準優勝だった馬場亜衣里さんは今年のU-18四天王争奪戦で見事優勝し、四天王入りしています。

今後カラオケバトルでTOP7やU-18四天王入りするためには、ここで好成績を残しておきたいところです。

A,B,C,Dの4ブロックで予選を行い、勝ち残った4人で決勝を戦います。

 

予選Aブロック

出場者とバトル結果

①松谷愛来(高3) 絶対絶対歌手になる!道産子 ど根性娘
MISIA「逢いたくていま」
95.290
②高瀬晃暉(中1) おばあちゃんと二人三脚 栃木発!演歌中学生
細川たかし「北酒場」
96.301
③久保陽貴(中1) 広島で大人気 歌うま親子のメインボーカル
平井堅「瞳をとじて」
97.705
④伊沢有香(小6) ご近所一丸となって応援!元気いっぱい小6娘
Foorin「パプリカ」
98.166→決勝進出

感想&分析

決勝進出は小学6年制の伊沢有香さんでした。中学生、高校生を押しのけての決勝進出は見事としかいいようがありません。

▽伊沢有香さんの分析レポート
点数:98.166(素点:95.122、Ai感性ボーナス:3.044
音程正確率:95%
表現力:94点(抑揚90点、しゃくり29点、こぶし22回)
Ai感性:92点
ロングトーン:4.5/5
安定性:9/10
リズム:±0
ビブラート:4/5(8秒、14回、B-2)

分析レポートでは全体的に高得点でしたが、特に表現力は他の出場者が苦戦していたにも関わらず94点と高い点数でした。抑揚が90点が効いていますね。ただ精密採点Aiは抑揚が良くても表現力は高くならないので、その他の隠れ項目(アクセントやハンマリング)が良かったんじゃないでしょうか。隠れ項目については「【LIVEDAM Ai】精密採点Aiの高得点を取るコツや前機種DX-Gとの違いについて」で解説しています。

個人的にすごいと思ったのは「ビブラート」です。ビブラート秒数が8秒は比較的短いのですが、これはおそらくわざとです。実はビブラートは秒数が長ければよいというわけではなく、いかにきれいな波形を出せるかが高得点のコツです。通常はなるべくビブラートをつけずに歌って、ここぞという時にきれいなビブラートを入れていました。かなり採点マシンを研究していますね。

松谷愛来さんの敗因は「表現力」ですね。

▽松谷愛来さんの分析レポート
表現力:83点抑揚67点、しゃくり33点、こぶし22回)

正直、歌唱力はズバ抜けていました。ただ、全体的にずっと声を張っていた感じがしたので、採点的にはポイントを決めて声を小さくして抑揚をつければよいかなと思いました。さらに先程説明した隠れ項目についてもちょっと意識するとよいですね。

高瀬晃暉さんも敗因は表現力ですが、さらにAi感性もいまいちでした。

▽高瀬晃暉さんの分析レポート
表現力:79点抑揚95点、しゃくり25点、こぶし68回)
Ai感性:78点

抑揚は高得点でしたが、隠れ項目がいまいちだったんでしょうね。それに引きずられてかAi感性もぱっとしませんでした。

久保陽貴さんの敗因は「ロングトーン」と「安定性」ですね。

▽久保陽貴さんの分析レポート
Ai感性:100点
ロングトーン:3/5
安定性:6/10

その他の項目が高得点だっただけに、もったいない感じがしました。ロングトーンと安定性は緊張すると低くなりやすいので、普段はもっと高得点が取れているのではないでしょうか。次回に期待ですね。

 

予選Bブロック

出場者とバトル結果

①尾田このみ(小4) マイナス23.6度の町から来た 天性の歌声を持つ10歳
長山洋子「じょんから女節」
97.346→決勝進出
②星卓澄(高1) 響く低音ボイス!高校生オペラ男子
夏川りみ「涙そうそう」
93.147
③五十嵐優稀(小5) カラオケ大好きママと二人三脚!福岡の歌うま少女
シェネル「ビリーヴ」
97.105
④下北姫菜 夢は世界の歌姫!なにわの中3女子
Beverly「I need your love」
96.252

感想&分析

Bブロックは「じょんから女節」を歌った小学校4年生の尾田このみさんが決勝進出です。DX-Gでは演歌は採点に不利だと言われていたので非常に気になっていました。

▽尾田このみさんの分析レポート
点数:97.346(素点:96.089、Ai感性ボーナス:1.257)
音程正確率:92%
表現力:82点(抑揚74点、しゃくり36点、こぶし154回
Ai感性:95点
ロングトーン:4.5/5
安定性:10/10
リズム:-1
ビブラート:4/5(27秒、57回、B-2)

なんと言ってもこぶしの154回ですね。加点がすごいかと思いきや表現力は82点とイマイチ。やはりDX-Gと同じくこぶし回数を増やしても加点は頭打ちするようです。その代わりAi感性や安定性が良かったのが勝因でしょうね。

星卓澄さんの敗因は「表現力」「ロングトーン」でしょう。特にロングトーンが5点中1.5と非常に低かったです。ロングトーンは「一つの音をどれだけ長く出せるか」というものです。これ、実はビブラートをかけてしまうとロングトーンとはみなされないのです。オペラのような常にビブラートをかける歌い方はロングトーンが低くなりがちです。なので、わざとビブラートをつけない歌い方をする必要があるんですよね。

五十嵐優稀さんの敗因は・・・正直分かりませんでした。分析レポートでは尾田このみさんとほぼ互角だったので本当に僅差だったんでしょう。

下北姫菜さんの敗因は「表現力」と「Ai感性」ですね。

▽下北姫菜さんの分析レポート
表現力:86点(抑揚79点、しゃくり36点、こぶし31回)
Ai感性:85点

ただこの難しい曲でこれだけの点数を取れることにびっくりです。採点向きの曲を歌ったらもっと高得点が取れるんじゃないでしょうか。

 

予選Cブロック

出場者とバトル結果

①森咲蘭(高2) 老若男女に愛される香川県のマドンナ
一青窈「もらい泣き」
95.525
②工藤姫宝(中3) みんなの孫娘! 山形の民謡中3女子
千昌夫「北国の春」
94.465
③藤﨑伊織(小6) あの大物歌手にゾッコン!福岡の歌うま小6男子
和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」
95.657
④加藤礼愛(小4) 歌うと豹変!世界を目指す小学生歌姫
セリーヌ・ディオン「To Love You More」
97.438→決勝進出

感想&分析

Cブロックはこれまた小学生の加藤礼愛さんでした。しかも選曲がセリーヌ・ディオンの「To Love You More」という難曲。

▽加藤礼愛さんの分析レポート
点数:97.438(素点:96.290、Ai感性ボーナス:1.148)
音程正確率:92%
表現力:86点(抑揚78点、しゃくり40点、こぶし30回)
Ai感性:84点
ロングトーン:4/5
安定性:9/10
リズム:±0
ビブラート:4/5(54秒、103回、A-1)

すべての項目が平均的に良いですね。特に悪い項目がありません。ただ悪く言えばすごくよい項目もないので、そこが課題でしょうか。

森咲蘭さんはAi感性が100点と見事でした。

▽森咲蘭さんの分析レポート
Ai感性ボーナス:4.969点
表現力:90点(抑揚82点、しゃくり34点、こぶし46回)
Ai感性:100点
ビブラート:2/5(8秒、32回、D)

Ai感性ボーナスも4.969点も高いですね。感情がこもっていてうまいなーと思える歌声でした。ただ、敗因は「ビブラート」でしょう。音程が上がっていくビブラートという判定でしたが、ちょっと珍しいですね。常にビブラートをかけてしまって、意図しない箇所でもビブラート判定されていました。よって、ビブラートが不安定とみなされたのでしょう。

工藤姫宝さんの敗因は「音程」「表現力」ですかね。

▽工藤姫宝さんの分析レポート
音程:85点
表現力:74点(抑揚72点、しゃくり40点、こぶし36回)
Ai感性:79点

民謡はこぶしを効かせすぎるため音程が低くなりがちです。なので通常の曲よりも音程のとり方が難しいんですよね。

藤﨑伊織さんの敗因は「表現力」「Ai感性」でした。特に抑揚が76点といまいちでしたね。またAi感性も低いのでAi感性ボーナスが1.021と低調な感じ。最高で+5くらいあるのでAi感性次第では素点94点でも96~97点くらいまでは上がる可能性もあります。

 

予選Dブロック

出場者とバトル結果

①古橋息吹(高3) アカペラでバズった名古屋の爽やか高3男子
清水翔太「花束のかわりにメロディーを」
96.495
②佐々木絵美 大好きな合唱同好会を救いたい!崖っぷち高3女子
坂本九「心の瞳」
96.434
③俵優馬 母は元○○!なにわのやんちゃボーイ
コブクロ「赤い糸」
98.855→決勝進出

感想&分析

Dブロック決勝進出はコブクロの「赤い糸」を歌った俵優馬さんでした。

▽俵優馬さんの分析レポート
点数:98.855(素点:95.734、Ai感性ボーナス:3.121)
音程正確率:91%
表現力:98点(抑揚93点、しゃくり91点、こぶし1回)
Ai感性:100点
ロングトーン:4.5/5
安定性:10/10
リズム:-1
ビブラート:3/5(22秒、57回、A-2)

Ai感性100点!ここでも出ましたねー。表現力も98点とお見事! 今後99点を狙うのであればビブラートをB-1型にして4点以上を狙いたいですね。

古橋息吹さんの敗因は「安定性」と「ビブラート」でしょうか。

▽古橋息吹さんの分析レポート
表現力:93点(抑揚95点、しゃくり43点、こぶし29回)
Ai感性:100点
安定性:8/10
ビブラート:3.5/5(25秒、63回、A-1)

安定性が8点台とビブラートが3.5点のA-1型(ちりめん型)と点数が伸びませんでした。Ai感性が100点なのでAi感性ボーナスが3点台と高かっただけにもったいなかったですね。安定性は緊張すると低くなりやすいので、出場回数を重ねれば緊張もなくなり点数も伸びるのではないでしょうか。

佐々木絵美さんの敗因は「表現力」「Ai感性」の2点です。

▽佐々木絵美さんの分析レポート
表現力:78点(抑揚79点、しゃくり55点、こぶし10回)
Ai感性:68点

個人的には合唱部的な歌い方はAi感性が低くなりがちな気がします。上品に歌うよりも、感情を込めた歌い方が重要になってくるでしょう。

 

決勝

出場者とバトル結果

尾田このみ 石川さゆり「津軽海峡・冬景色」
95.596→3位
加藤礼愛 Superfly「愛をこめて花束を」
96.515→準優勝
伊沢有香 mao「夢をかなえてドラえもん」
99.339→優勝
俵優馬 尾崎豊「I LOVE YOU」
94.838→4位

感想&分析

優勝は小学6年生の伊沢有香さんでした。決勝でまさかの最高点で優勝するとは見事としかいいようがありません。

▽伊沢有香さんの分析レポート
点数:99.339(素点:97.858、Ai感性ボーナス:1.481)
音程正確率:93%
表現力:96点(抑揚98点、しゃくり62点、こぶし20回)
Ai感性:100点
ロングトーン:4.5/5
安定性:10/10
リズム:-1
ビブラート:4.5/5(13秒、15回、B-1)

すべての項目が高得点! いやーすごい新人が出てきました。

尾田このみさんは表現力が72点と低かったですね。予選でも80点台だったので抑揚の付け方が今後の課題でしょうか。

加藤礼愛さんは音程正確率が94%と見事だった一方、表現力が82点とふるわず。

俵優馬さんは分析レポートの2ページ目が表示されなかったので詳細は分かりませんが、1ページ目だけを見ると表現力の点数が低いようでした。

 

最後に

ということで、2020年U-18新人王は、小学6年生の伊沢有香さんでした。

いやーすごい新人が出てきました(2回目)。予選で歌の最初のほうを聴いた時は子供らしい歌い方だなーと微笑ましかったのですが、聴いていくうちに、これはただごとではないと思い始めました。安定した声、音程ばっちり、きれいなビブラート、感情的な歌い方。

採点マシンにも好かれているようで、Ai感性も予選、決勝と高得点でした。しかも99.339という点数は、精密採点Aiになってからは最高得点な気がします。

これから常連になってU-18四天王やTOP7、最終的には年間チャンピオンも狙える器だと思います。今後も注目していきたいと思います。

さて次回は、1/26放送の「最強女子ボーカリストカップ」です。

では!