(2019/1/27最下段に最新状況追記)
こんにちは。しろくまです。
僕は今IT業界で働いているんですが、激務で有名なこの業界で珍しく2年近くほぼノー残業をしてきました。
ノー残業が達成できた理由として、仕事が研究職という理由意外にも自分で色々工夫してきたことがあるのですが、最近、いつも残業をしている後輩が自分より評価が高いことを知って愕然としました。
以前からモヤモヤしてはいたのですが、今回の件で会社への不信感が強まってしまいました・・・。
そんな実例と統計結果から「残業」について改めて考えてみました。
今日はそんなお話。
自分なりに苦労して達成したノー残業
会社的には数年前から経費削減の施策としてノー残業を推奨してきました。その話はこちらで詳しく書いています。
IT業界で残業ゼロを2年続けて分かったこと【その後の状況を追記】
ですが最近は少し規制がゆるくなってきて、残業したい人は比較的簡単に残業することができるようになりました。
僕も残業はやろうと思えばできたのですが、子供も小さいので早く家に帰ってできるだけ一緒に遊んであげたいと思いましたし、残業しないことが会社の経費削減にも貢献できて評価されると信じていたので、個人的に色々工夫や苦労をしてノー残業を達成してきました。
残業をしない施策の一例
- テストの自動化
- 第3者でも実施可能なようにマニュアルの作成・整備
- 仕事の優先度付け
- 自宅学習での基礎力向上
などなど、最初はこれらの準備の時間をとるのも大変でしたが、昼休みや朝少し早く会社に来て作業するなど、できるだけ残業をしないようにしてきました。
これらの施策は、僕が個人的に考えてやってきたことなので、本当にこれが残業しないためにベストな選択だったのかは分かりませんでした。
そこで、ちょっと調べてみると、こんな統計結果が見つかりました。
長時間労働の削減に効果的と思える施策についての統計結果です。
(出典:内閣府「ワークライフバランスに関する意識調査」より)
ここから残業削減に効果的な施策は何かを読み取ると下記の通りです。
- 短時間で質の高い仕事をする
- 他の人でも仕事を代替できる
なので、僕が実践してきた施策は間違いではなかったことが分かります。
上司から告げられた「普通」の評価
普段から上司には僕がやってきた施策の話はしていました。そうしたら上司も理解を示してくれているような雰囲気だったのです。
これは今年は評価上がるかな。手ごたえはありました。
そして3月の評価面談。上司から告げられたのは「普通」の評価でした。
またか・・・そう思った僕は理由を聞いてみました。
上司「作業効率化とかよくやってくれているのは知っているから、私は普通より上の評価なんだけどねぇ、これを踏まえて人事が出した最終的な評価がそれなんだよね」
うちの会社は、上司の評価やそれまでやってきた仕事の内容などを踏まえて、評価の最終的な判断は人事が行います。上司がいうには、上司的には僕の評価は高かったが、今までの経歴や他の人の評価との比較で最終的に人事が「普通」と決定したというのです。
正直上司の本当の評価がどうだったかは分かりません。口ではそう言っておいて人事には普通の評価をしているかもしれませんし。いまいち納得のいく回答ではありませんでしたが、これ以上聞いてもしょうがないと思い受け入れました。
ちなみに今回の評価で今年の月の給与は3千円だけアップしました。年収でいうと3万6千円アップですね。上がるだけでもよしと考えるか、あれだけやってこれだけしか上がらないなんてコスパ悪すぎと考えるのか・・・。
モヤモヤは残りましたが、景気が悪いからしょうがないのかな、なんて考えて自分を納得させました。
いつも残業している後輩のK
同じ部署にKという後輩がいました。Kはいつも残業をして毎日忙しい忙しいと繰り返し文句を言っていました。
ある日、何がそんなに忙しいのか彼に聞いたらこんなことを言っていました。
とにかく障害の対応で忙しい。他の業務を進めようと思うと客先から障害の連絡があり、それの解析や客の対応をやっていると時間がすぐになくなる。
もっと詳しく聞くとこういうことでした。
- テストは手動なので、障害の連絡があるたびに夜遅くまでテストしている
- 誰かに頼もうにもマニュアルがないので結局自分がやっている
- とりあえずその日の終電に間に合うまで溜まっている仕事を片付けている
- 生活が不規則なのでいつも風邪気味
などなど。
これじゃ効率が悪いはずだ。そう思ってアドバイスしたこともありました。アドバイスしても行動に移していないようでしたが。
しかもKは仕事中に居眠りや、ネットサーフィンしていることもしばしば。周りの社員からもそんなに評判はよくありませんでした。
残業が多い社員はプラスのイメージ
そんなある日、同僚と飲んだ時に評価についての話が出ました。すると、同僚が以前後輩のKと飲んだ時に、Kが今年の評価で「優」をもらえたと言っていたというのです。
「優」は字の通り「普通」よりも評価が高く、月の給与も1万円以上アップします。
Kは上司との面談の時にこんな話をしたらしいのです。
- 今年は休日も呼び出されたりして仕事を頑張ってきた
- この仕事は自分しかできないから大変だった
- 体調も崩し気味だったか頑張った
- おかげで今のところ問題もなくなっている
この話を聞いた時に思ったのが僕がやってきたこととはまったく逆だということです。どちらかというと、悪い評価に傾きそうな事例です。
しかし、評価は「優」。
上司や人事的には残業をやっていることが頑張っているとみなされたのかなと思います。もちろん他に要因があるのかもしれませんが、話を聞いている限りでは残業が多いことも評価の要因の一つのはずです。
ここで一つ、世間の残業に対するイメージのアンケートがあったので見てみます。
(出典:内閣府「ワークライフバランスに関する意識調査」より)
この結果からも、「残業をしている=頑張っている」という、ポジティブなイメージのほうが強いことが分かります。Kと同じく残業が多い人は頑張っている、会社に貢献していると判断されるようです。もちろんそれとは逆の判断をする会社もあるとは思いますが、それは比較的新しい会社で、古い体質の会社であればまだまだ残業=正義の考え方が残っているのではないかと思います。
定時帰りは評価の面でも収入の面でも低い
今までの結果から言うと、僕の会社ではこういうことになります。
定時で帰る人 → 残業代がないので収入も低い、そして評価も低い
残業をしている人 → 残業代で収入も多い、そして評価も高い
つまり、本人の頑張りに関係なく残業はしたほうがお得!
そりゃ残業する人が増えてくるはずだ。。定時で帰るメリットって、家族サービスや趣味に時間が使えることと規則正しい生活くらい。出世やお金なんかどうでもいい!家族と体が第一って人にはいいかもしれません。実際そういう人周りにいますからね。それはそれで否定しませんし。
でもサラリーマンとしてはやはり出世したいとは思います。収入もあげて家族も楽にさせてあげたいですし。
最後に
個人的には、残業している人が頑張っているという考えは早く撲滅して欲しい!
この考え方がなくならない限り、日本が労働時間が多い国ランキングの上位から下がることはないでしょう。
ただ、最近は残業のしすぎはダメだという風潮が広まりつつある気がするので、僕たちの子供が大人になる頃には変わっているんじゃないかな。例えば、紳士服のはるやまは「ノー残業手当」を採用しました。興味深い試みですよね。果たしてどこまで効果があるか分かりませんが。
はるやま:定時に帰れば「ノー残業手当」月1万5000円 - 毎日新聞
色々書きましたが、今回の件は以前見たこちらの記事に近いものを感じます。
なぜ「システムが無事に動いている」ことの価値は理解されないのか | Books&Apps
定時で帰っていて且つ問題もなく仕事も順調にこなしているのになぜ評価してくれないのか?
今後はこの問題が解決される社会がくることを切に願います。
まぁ、ともかく今回の件で背中を押されたので、転職するための情報収集を始めようと思います。
それではこのへんで。
(2019/1/27追記)
この記事を書いたあと、上司や周りへのアピールを積極的に行ってみました。
自動化→マニュアル作り→上司に公開の許可取る(ここ大事)→周りに公開
これをいくつかやっていたら評価が上がったらしく、優の評価をもらえることができました。
工夫して作業を効率よくこなしていても、誰にも知らなければ評価は上がりません。評価を上げるにはやったことを上手にアピールしていくことが必要だと思います。