12月15日のカラオケバトルは『U-18歌うま甲子園2019年間チャンピオン決定戦』です。
バトルの見どころ、出場者、選曲、得点の紹介と、年間500曲以上カラオケ採点をしている筆者が独自の視点で点数を解析します。
見どころ
今日はU-18の年間チャンピオン決定戦ということで、現四天王を含めた8名が優勝を目指します。全員が99点以上は当たり前という高レベルな戦いが予想されますが、前々回から採用された新採点マシン「精密採点Ai(エーアイ)」が波乱を呼びそうです。11/17のバトルでは、平均点99.477の熊田このはさんが、Aiが採点した結果95点台で優勝を逃す場面もありました。各出場者がどうやってAiを攻略するのか楽しみです。
試合形式は、8人でくじ引きを行い1対1で予選を戦い、勝ち上がった4人で決勝を争います。上位4人ではないので運も優勝するための重要な要素となります。
また、今回の優勝者はテレ東の大晦日の音楽番組「年忘れにっぽんの歌」へ出場できるそうです。
予選1回戦
出場者とバトル結果
馬場亜衣里 | U-18新四天王。前々回のU-18四天王決定戦では、新採点マシン初使用にも関わらず、並み居る強豪を抑え優勝し四天王入り。 |
平均点:99.279 | |
曲/スピッツ「楓」 | |
97.633(予選敗退) | |
熊田このは | 全国制覇する名門合唱部のソプラノエース |
平均点:99.042 | |
曲/miwa「あなたがここにいて抱きしめることができるなら」 | |
98.191(決勝進出) |
感想&分析
奇しくも11月17日放送のU-18四天王決定戦の出場者同士の対決です。そのバトルではどちらも決勝に進出し、熊田このはさんが95点だったのに対し、馬場亜衣里さんが98点で優勝しました。今日は熊田このはさんにとってはリベンジ戦ということで大変注目の一戦でした。
結果は熊田このはさんが98.191で決勝進出しました。なかなかドラマティックでしたねー。今回は敗退した前回に比べてかなり感情を込めて歌っている気がしました。リベンジ戦ということでより気合が入っていたんでしょうか。
▽熊田このはさんの分析レポート
音程正確率:96%
表現力:94点(抑揚100点、しゃくり52点、こぶし8回)
Ai感性:92点
ロングトーン:4/5
安定性:10/10
リズム:□□□■□□□
ビブラート:4/5(13秒、29回、B-1)
分析レポートとしては「表現力」いいですね。抑揚が100点はなかなかお目にかかれません。その他の項目も高得点でした。欲を言えばAi感性がもう少し高ければ99点台も可能だったんじゃないでしょうか。
馬場亜衣里さんの敗因はズバリ「表現力」でしたね。
▽馬場亜衣里さんの分析レポート
表現力:85点(抑揚63点、しゃくり46点、こぶし24回)
抑揚が63点はちょっと低かったです。11月のU-18四天王決定戦では抑揚が93点とかなり良かったのですが…。個人的には選曲が原因でしょうか。『楓』はサビは高音で長く発声するので抑揚がつけにくいと思います。私も楓は歌ったことがありますが結構難しいです。
予選2回戦
出場者とバトル結果
澤口優聖 | 四天王に1番近づいた 道産子演歌高校生 |
平均点:98.302 | |
曲/氷川きよし「箱根八里の半次郎」 | |
97.503(予選敗退) | |
佐久間彩加 | U-18四天王。小学6年生の時にavex主催のコンテストで約1万人の中からグランプリを獲得。過去のバトルでは100点連発、平均点99点超えの優勝候補。 |
平均点:99.563 | |
曲/JUJU「やさしさで溢れるように」 | |
98.768(決勝進出) |
感想&分析
2回戦はU-18四天王の佐久間彩加さんが98.768で決勝進出です。バトルの前々日まで期末試験だったという不利な状況でしたが見事でした。
▽佐久間彩加さんの分析レポート
音程正確率:96%
表現力:91点(抑揚80点、しゃくり79点、こぶし33回)
Ai感性:97点
ロングトーン:4/5
安定性:10/10
リズム:□□□■□□□
ビブラート:4/5(35秒、63回、B-2)
分析レポートとしては「Ai感性」がいいですね。どういう基準が分かりませんが、採点マシンは良いと判断したようです。
馬場亜衣里さんの敗因は「表現力」と「Ai感性」でした。
▽澤口優聖さんの分析レポート
表現力:81点(抑揚87点、しゃくり31点、こぶし83回)
Ai感性:85点
こぶしが83回もあるにも関わらず表現力が低いことからも分かる通り、こぶしの数はあまり重要ではないという点は全機種のDX-Gと同じですね。それよりもやはり抑揚が重要です。抑揚を上げるコツは「【精密採点DXG攻略】表現力とは? 抑揚を上げるテクニックを紹介」で紹介していますので興味のある方はどうぞ。Aiにもある程度は通用するはずです。
予選3回戦
出場者とバトル結果
佐々木麻衣 | 2019年U-18四天王。カラオケ★バトルには小学校6年の2014年5月に初出場し初優勝。その後優勝を重ねたが2015年以降はしばらく低迷。しかし昨年2018/11/21のバトルの優勝で復活し、今年の4月の「U-18歌うま甲子園 平成最後の頂上決戦」では予選決勝ともに100点での完全優勝を果たした。 |
平均点:99.701 | |
曲/中村美律子「河内おとこ節」 | |
97.446(予選敗退) | |
鈴木杏奈 | 栃木の歌うま女子高生。U-18四天王の一人。カラオケ★バトルには2014年から出場しており優勝6回。100点多数。最後の優勝は2017/6/21の「U-18歌うま甲子園 2017夏の頂上決戦」で、以降2年以上優勝からは遠ざかっている。 |
平均点:99.647 | |
曲/浜崎あゆみ「appears」 | |
98.934(決勝進出) |
感想&分析
U-18四天王同士の戦いは鈴木杏奈さんの勝利でした。appearsの声があゆにそっくりでびっくりしましたよ。音程も完璧だし歌い方もかなり寄せてきてた気がします。
▽鈴木杏奈さんの分析レポート
音程正確率:96%
表現力:96点(抑揚88点、しゃくり41点、こぶし32回)
Ai感性:100点
ロングトーン:4/5
安定性:10/10
リズム:□□□■□□□
ビブラート:4/5(11秒、21回、B-2)
なんといってもAi感性が100点(ボーナス+1.3点)は見事です。他の出場者が苦労している表現力も良いですね。曲を知っていたというのもありますが、このappearsはかなり心に響きました。Aiがこれを評価していたとするとかなりすごいことですよね。
そしてまさかの97点台という佐々木麻衣さんの敗因は、他の出場者とほぼ同じ「表現力」と「Ai感性」です。
▽佐々木麻衣さんの分析レポート
表現力:80点(抑揚74点、しゃくり53点、こぶし63回)
Ai感性:81点
佐々木麻衣さんの2017年以降の最低点は2018年9月のU-18歌うま甲子園の決勝で出した98.677だったのですが、それを1点以上も下回る結果となりました。表現力がここまで引くことは今までなかったんですけどね…。確実に全機種のDX-Gとは表現力の判定基準が変わっているようです。そして謎のAi感性…。なんとなくですが演歌や歌謡曲はAi感性には不利なのかなーと思います。歌う人の絶対数が少ないからでしょうか。まだ採点マシンが演歌などに対応しきれていない気が…。分かりませんが。
予選4回戦
出場者とバトル結果
安大智 | 今シーズン男子最高得点!甘いマスクの超強気高校生 |
平均点:99.383 | |
曲/チェッカーズ「夜明けのブレス」 | |
99.220(決勝進出) | |
原藤由衣 | U-18新人王!道産子国立リケジョ |
平均点:98.925 | |
曲/いきものがかり「風が吹いている」 | |
98.828(予選敗退) |
感想&分析
期待の歌うま男子の安大智さんが今回最高点の99.220で決勝進出です。喋り方から高いキーで歌うのかなと思ってたのですが、低い声もきちんと出せていて夜明けのブレスがいい感じでハマっていました。
▽安大智さんの分析レポート
音程正確率:95%
表現力:95点(抑揚90点、しゃくり95点、こぶし61回)
Ai感性:100点
ロングトーン:4/5
安定性:10/10
リズム:□□□■□□□
ビブラート:4.5/5(26秒、44回、B-2)
表現力、Ai感性いいですね。正直抑揚はそれほどないように聴こえたのですが90点という高得点でした。点数は個人的には99点台はちょっと意外ですね。もちろん安定感や音程は抜群でしたが、心が動いたかというとそうでもなかったです。Aiは本当に奥が深い。
原藤由衣さんの敗因ですが、分析レポート的には特に悪い項目はなかったのですが、あえて言えば、全体的に中くらいの点数だったことが敗因でしょうか。
▽原藤由衣さんの分析レポート
表現力:93点(抑揚83点、しゃくり79点、こぶし34回)
Ai感性:92点
表現力とAi感性が90点台前半でした。ここがもう少し高ければ99点台だったと思います。とはいえ、98.828という点数は今回のバトルではかなり高い方で、1,2回戦だったら勝っている点数です。相手が悪かったと言えるでしょうね。運も実力の内とは言いますが、U-18最後のバトルだったので少々かわいそうでした…。
決勝
出場者とバトル結果
熊田このは | 曲/倖田來未「愛のうた」 |
98.807(準優勝) | |
佐久間彩加 | 曲/植村花菜「トイレの神様」 |
98.404(4位) | |
鈴木杏奈 | 曲/藍井エイル「ラピスラズリ」 |
98.828(優勝) | |
安大智 | 曲/B'z「愛しい人よGood Night...」 |
98.704(3位) |
感想&分析
熊田このはさんの本領が戻ってきましたね。前回出場では95点台を取って不調でしたが、今回は98点台と復活の兆しが見えます。ただやはりAi感性が86点と低かったのでここを安定的に高くすることが今後の課題でしょうね。
佐久間彩加さんは選曲すごくないですか・・? 実はこのトイレの神様は9分くらいある曲なんですよね。カラオケも9分かどうかは分かりませんが、もしそうだったらかなり体力を使ったと思います。分析レポートとしては表現力が90点とすこーしだけ低かったのが敗因でしょう。ただ、決勝という大舞台で安定性が10なのはかなり肝が座っていますね。
安大智さんに関しては、選曲が神でした。実はこの「愛しい人よ Good Night...」は採点ではかなりよい点を取れる曲です。私もよく歌っていましたが、毎回90点以上はコンスタントに取れます。理由としてはまずテンポがゆっくりなこと、サビの音程が高く抑揚も取れること(ただしサビ以外は抑揚取りにくいです)、テンポがゆっくりなのでビブラートが入れやすいということ、などです。B'zの初期の頃の曲なので若い方は知らないとは思いますが、曲自体もいいので是非歌ってみてください。
そして優勝したU-18四天王の鈴木杏奈さん。毎回決勝では点を取りやすい曲ではなく自分の好きな曲を歌うというチャレンジャーで個人的には応援していました。さすがに今回は手堅く来るかなと思ったらいつも通りを貫き通したのは本当に尊敬します。
▽鈴木杏奈さんの分析レポート
音程正確率:94%
表現力:93点(抑揚95点、しゃくり39点、こぶし28回)
Ai感性:100点
ロングトーン:4.5/5
安定性:10/10
リズム:□□□■□□□
ビブラート:3.5/5(13秒、33回、B-2)
予選、決勝ともに100点のAi感性お見事です。Aiの申し子でしょうね。今後も活躍していく姿が目に浮かびます。ただ気になるのはビブラート。ここが4点台だったら99点は超えていたと思います。
まとめ
ということで2019年U-18年間チャンピオンは鈴木杏奈さんでした。2年5ヶ月ぶりの優勝で、本人もかなり嬉しかったんではないでしょうか。これで年末の「年忘れにっぽんの歌」に参加できるということで、何を歌うか楽しみです。
今回の放送で、新採点マシン(Ai)では抑揚についてDX-Gと判定基準が違う気がしてきました。今まで抑揚で確実に90点以上取れている方達が揃って低い点数でしたし。これについては今後も自分で歌ってみて調査してみます。何か分かった場合はこちらのブログで報告します。
さて次回は、2020年1月5日放送の「U-18歌うま大甲子園 新人王決定戦3時間SP」です。2020年一発目で楽しみです! 翌日が出社日ですけどね(泣
※本記事内の「平均点」とは、2017年以降のバトル全ての回の点数の平均です(独自調べ)。